刀語 第零話「虚刀・鑢/第三章」

刀語第三巻「千刀・鎩」の完全限定生産版に付属の
特典CDに収録された、朗読活劇の第三章。収録時間は約23分半。
敦賀迷彩役の湯屋敦子さんが、朗読をご担当。


舞台は、先の大乱、その渦中の出雲。
もっとも多くの戦災孤児を生んだ地区。
敦賀迷彩」がその名を継ぐ前、
さらには、山賊の頭目となる前のお話。


護神三連隊ならびに、
千刀流が絶やされた後の一幕。
本編第三話、迷彩の回想にも登場した、
凄惨なあの場面ともシンクロ?


彼女もまた、飛騨鷹比等の起こした
大乱に運命を翻弄された一人。
太平の世が続いていれば、千刀流がその命脈を絶たれることもなく、
迷彩は、山賊にも、三途神社にも関わることなく、
変体刀とも無縁のまま、七花と戦って、命を落とすこともなく?
そう考えると、とがめや七花と、迷彩との接点を過去に遡り
拵えていたのは、鷹比等その人だった訳で。うーむ。


そして、七花と七実の父・鑢六枝。
今回もまず、「棒人間」として登場。
もし、このお話が、映像化されるとしたら、
最大の関心事は、やはり、六枝の描写をどうするのか、というところ?


もっとも、いくら入れ替わっても、
その根にあるものは、変わらずという感じ。
一見やさしげな印象だったりするのだけれど、
その実、「彼ら」の物言いからは、どこか
人を人と思っていないような節も窺われ。


迷彩が棒人間に対して感じた危機感?
「殺されるか、あるいは――」の一連のくだりが、
六枝のことをとらまえた、正しい認識だったりするのかも。


そして、飛騨鷹比等。まさに神出鬼没。
――よもや、そんなところからの登場とはΣ(゚∀゚;)
六枝と迷彩が会話している間、ずっとそこに?
生とか死とかいう概念が、この人物には、極めて希薄なのかも。
人命も、ただの数字以上の意味を持たないみたいで。


鷹比等と六枝の最初の決闘。
長きにわたる戦いの口火。
その結末も気になるところ。
まともに渡り合えば、六枝の圧勝は目に見えていますが、果たして。


ところで、第一章で登場したそれぞれの六枝と
第三章で登場したそれぞれの六枝。あるいは、
第二章の鷹比等と、第三章の鷹比等。
語り手こそ、章ごとに違うものの、
各章の朗読を聴き、頭に結ばれる像に、
ズレやブレはなく、それが当然なのかもしれないけれど、
やっぱり凄いと思った次第。
事前に、イメージのすり合わせが、
入念に行われているのかしら。
って、ちょっと気になったのでござる。



ちなみに、三巻ごとに付いてくるBOX。

質感も宜しく、豪華な造りなのです-(*^_^*)